銀河丼TLにただようもの

#銀河ノベル <6>

銀河丼TLにただようもの

#銀河ノベル <6>

いつも同じ場所に立ち尽くす。空は何処までも青く、全部終わったような顔をしている。きみのいる都会では環状線が走るけれど、田舎のこの町では2両編成の電車が行ったきり帰ってこないよ。あの日も空は雲ひとつなく、嫌味のように青かったね。きみは悲しいと言っていた。
悲しみの色も忘却の色も青い。そう僕は思う。
絵を描くきみは青が好きだと言って、僕の絵をいつも青く塗った。僕の中のきみの笑顔もいつの間にか、きみの青い絵の具で塗りつぶされてしまった。
いつか何も見えなくなって、一点の曇りもないこの空のようにきみとの思い出は消えていく。
どうしてきみはあのとき悲しいだなんて言ったんだ。あんなに晴れ渡った顔で笑っていたのに。

[2017/9/2]

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村谷由香里さんが #銀河ノベル として投稿してくれた短い作品です。