銀河丼TLにただようもの

#銀河ノベル <7>

銀河丼TLにただようもの

#銀河ノベル <7>

11月の空は高く、街路樹は赤く染まっていた。行き過ぎる風が冷たくなっても、わたしは自分を誤魔化すように薄手のシャツばかり着ている。
あなたと別れたのは冬だったから、わたしはどうしても寒い季節が好きになれません。かじかんだ指先が、もうどこにも届かないことを悟った日、もう消えてしまいたいと思った。
空を覆い尽くす鱗雲を見るたび、泡になった人魚の話を思い出す。あともう二週間もすればあの雲すら跡形もなく、青い空に溶けて消えるんでしょう。

[2017/11/4]

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村谷由香里さんが #銀河ノベル として投稿してくれた短い作品です。